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社会的認知バイアス

こんばんは
今日も、暑かったですね~社会的認知バイアス_d0402566_17344763.jpg


さて、今日は人が物事を認識するときに無意識に思い込んでしまっている、認知バイアスについてです。

認知バイアスとは、社会心理学や認知心理学でつかわれている用語で、ある出来事を事実そのままに理解するのではなく、だれもが持っている「思考の偏り」や「思い込み」で認識し判断してしまうことで、「認知の歪み」とも言われます。

透明性の錯覚(透明性錯誤) 自分の考えや内的状態が相手に理解されていると過大評価する傾向のことです。Gilovich(ギロビッチ)らが提唱しました。
これは、職場の上司と部下の間でも「あるある」ですね。
自分が考えていることは、相手も当然わかっているはず、自分が期待していることは相手は知っているはずと思っているものだから、相手が違う行動や言動をしたときに、いらぬショックをうけたり、相手を傷つけたり、思わぬトラブルになってしまいます。
ちゃんと言葉で言わないと、自分の心は透明ではないですからね~ 気を付けましょう~

根本的帰属の誤り 観察者が、ある人(=行為者)の行為の原因を推測するときに、行為者の内的特性に帰属させる傾向のことです。ロスという心理学者が提唱しました。
これもよくありますね。
たとえば、Aさんが交通事故を起こしたとき、Aさんの夫は「いつも、バタバタしているAの不注意に違いない」と思い込むことです。(私がAかって?ソウカモシレマセン・・・そしてそれはバイアスではなく事実カモ・・・)

行為者ー観察者バイアス 根本的帰属の誤りを発展させたもので、行為者の行為の原因を、観察者は行為者の内的特性に帰属させ、行為者本人は自分以外の外的要因に帰属させることです。
交通事故の例で言えば、Aさんの夫(観察者)は「Aの不注意」と考えるが、A(行為者)は「ブレーキの調子が悪かった」と考えることです。
そういえば、そんな事故ありましたね。

セルフサービングバイアス(自己奉仕的バイアス) 自分の「成功」については内的要因を、「失敗」については外的要因に帰属させることです。これは自尊心を保つために役立ちます。
例えば、試験で高得点をとったとき(成功)は、「勉強がんばったから」「自分には能力があるから」と考え、
低得点だったとき(失敗)には「問題が悪い」とか「忙しくて勉強できなかったから」と考えることです。
試験に合格しても「運が良かったから」、不合格なら「自分に能力ないから」というのでは、あまりに自分がみじめですよね~ 試験の不合格なんかは、誰にも迷惑かけないのだから、自分にいいように考えましょう!

確証バイアス 自分が持つ仮説や信念に合致した出来事は情報としてキャッチしやすく、またよく覚えているが、合致しない出来事については無視したり、忘れてしまうことです。
う~ん、これはよくやりますね。
「ほら、やっぱり思った通りだ」というような情報ばかり証拠集めして、それ以外の情報はシャットダウン。ますます自分の仮説が確証となっていきます。この誤りを認めるのは、本当に勇気がいりますね。
「雨男」の夫も、お出かけするときに晴れだったことはたくさんあるはずなのですが、やっぱり雨の日の記憶の方が多いです。

ハロー効果(光背効果) ある人物・物事を評価する時に「分かりやすい目立つ特徴」に引きずられて、その特徴以外の要素まで同じように評価してしまう認知バイアスのことです。
容姿端麗、聡明そうで清潔な身なりをしたAさんと、暗い表情で、裾がほころびているスカートを着ているBさんの二人がいるとすれば、能力的には二人ともさほど変わらないとしても、ほとんどの人がAさんに好感をもち、信用するでしょう。


ということで、私たちの認知はとても偏っているということがよくわかりました。
私たちは「見えたものを認識する」のではなく、「認識したいものを見る」ということですね。

では、また明日。





# by wlsyui | 2021-08-02 23:59 | 心理学ミニ知識

良好な人間関係のために

おそまきながら、公認心理師をめざして勉強中です。
試験日まであと49日
お仲間おられたら、一緒に勉強しましょう!
そして、試験が関係ない人にも役立ちそうなテーマを選んでアップしていきたいと思います。
今日は、コミュニケーション能力についてのお勉強です。

勝手に
問題①
コミュニケーションについての下記の中で、誤っているものを1つ選べ。

1.コミュニケーションとは、情報のやり取りである。
2.情報の送り手が伝えたい考えや意図のことを「表象」という。
3.送り手の表象をメッセージに変換することを「記号化」という。

4.記号化されたメッセージは、会話または文書という手段で伝えられる。
5.受け手がメッセージを解読することを「情報化」という。

1.2.3.5番はその通りの説明です。
2頭にイメージした「表象」を、3言葉などに変換することを「記号化」
5受け手が受けとめると同時に解読され、もともとの表象が「情報化」する、という感じですね。

問題①の答えは4

間違いではないのですが、伝える「手段」としては、メールや電話などもあるので、×としました。
この手の「間違っていないけど、正しくない」という選択肢を選ばせる問題が結構あるので注意です。

ちなみに、4の「手段」のことは「メディア」と呼ばれています。

カウンセリングをしていて、こじれた関係の両者にお話を伺うことが多いですが、関係がこじれた要因はさまざまあるものの、コミュニケーションの途中の変換過程で誤解が生じていることがよくあります。
コミュニケーション論を理解していると、どこでどんな誤解が生じているのか整理して考えることができそうですね。



勝手に
問題②
支援者がとりうる5つの態度についての説明で誤っているものを2つ選べ。


1.評価的態度(evaluative)とは、相手の発言や行動について、善悪、正しさ、適切さ、効果などについて判断しようとする態度
2.解釈的態度(interpretative)とは、その人の問題について、もっと知りたい、もっと情報を得たいということを示す態度
3.診断的態度(probing)とは、相手の発言や行動について、その意味や理由を示そうとする態度。相手の考えるべきことを暗示するような態度
4.支持的態度(supportive)とは、相手の思いを肯定、保証し、申告な感情を和らげる、不安を軽減させ、安心感を与える、というようなことを目指す態度。
5.理解的態度(understanding)とは、相手の述べた内容、感情、考え方やものの見方などを正しく理解していることを示そうとする態度。あるいは、それらを正しく理解しているかどうかを確認しようとしているもの。

支援対象者との良好な人間関係を作るにあたっては、5の理解的態度が重要です。
5以外の態度では、支援対象者とはよい関係は築けないとのことです。
言うは易し、難しいですね。

問題②の答えは 2.3で、それぞれの説明が入れ替わっています。




# by wlsyui | 2021-08-01 17:36 | 公認心理師試験勉強

災害時支援とは

今日から8月。台風のシーズン到来です。
このところの異常気象は、もはや「例年」となっています。
そして近年は、台風に限らず、さまざまな天災による被害が多発しています。
災害時支援とは_d0402566_00005047.jpg
最近では、今年7月3日に、大雨による静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で発生した土石流によって、131棟の家屋が被害に遭い、犠牲者は27日現在で死者22名、行方不明者6名を数えています。未だ500名近くの住民が避難を余儀なくされているとのこと。人災との報道もあり、真相解明も必要ですし、何より被災された方々が一刻も早く平穏な生活を取り戻せるように、国や行政はもちろんですが、私たち一般人も少しでも協力したい、と思います。

そこで、今日は、大規模な災害が起こった時に、特に精神保健・心理社会的支援に関する手引きやガイドラインを紹介してみたいと思います。

PFA(Psychological first aid)
サイコロジカルファーストエイドとは、災害時の心理的応急処置のことですが、WHO(世界保健機関)やアメリカ国立子どもトラウマティックストレスネットワークとアメリカ国立PTSDセンターが作成たものが代表的です。

PFA(WHO)の行動原則
見る・・・・・安全確認
    ・明らかに急を要する基本的ニーズのある人の確認
    ・深刻なストレス反応を示す人の確認
聞く・・・・・支援が必要と思われる人びとに寄り添う
    ・必要なものや気がかりなことについてたずねる
    ・人々に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる手助けをする
つなぐ・・・生きていく上での基本的なニーズが満たされ、サービスが受けられるように手助けする
    ・自分で問題に対処できるよう手助けする
    ・情報を提供する
    ・人々を大切な人や社会的支援と結びつける。

PFA(米国立PTSDセンター等)の8つの活動内容
1.被災者に近づき、活動を始める

   目的:被災者の求めに応じる。あるいは、被災者に負担をかけない共感的な態度でこちらから手をさしのべる
2.安全と安心感
   目的:当面の安全を確かなものにし、被災者が心身を休められるようにする
3.安定化
   目的:圧倒されている被災者の混乱を鎮め、見通しがもてるようにする
4.情報を集めるー今必要なこと、困っていること
   目的:周辺情報を集め、被災者が今必要としていること、困っていることを把握し、その人にあったPFAを組み立てる
5.現実的な問題の解決を助ける
   目的:いま必要としていること、困っていることに取り組むために、被災者を現実的に支援する
6.周囲の人々とのかかわりを促進する
   目的:家族・友人など身近にいて支えてくれる人や、地域の援助機関との関わりを促進し、その関係が継続するよう援助する。
7.対処に役立つ情報
   目的:苦痛を和らげ、適応的な機能を高めるために、ストレス反応と対処の方法について知ってもらう
8.紹介と引き継ぎ
   目的:被災者がいま必要としている、あるいは将来必要となるサービスを紹介し引き継ぎを行う

支援者に対するケア
災害の発生時に支援を担当する人自身も深刻なストレス状況下におかれ、二次受傷の状態に陥る可能性もあります。ストレス・災害時こころの情報支援センターは支援者向けに「災害救助者メンタルヘルス・マニュアル」を示し、災害支援者に生じうる心身の反応やその対処についてまとめられています。
https://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/document/medical_personnel02.html

被災者への支援を行う場合、被災者が今何に困っているのかに耳を傾けることが何より大切です。
心理職だからといっても、初期対応としてはまず命を守ること、そして生活再建への手助けになるような情報提供や、支援者が一人で抱え込まず、さまざまな社会的資源につなげること、話をするときは、災害時の記憶を呼び起こすような話をこちらからはしないことなどが大切です。


わたしは、お恥ずかしながら、公認心理師試験勉強をしていて、サイコロジカルファーストエイドなるものを初めて知りました。
いつ襲ってくるかわからない天災。
この国で生きていくためには、最低限の知識として持っていなくてはいけないのかもしれません。

# by wlsyui | 2021-08-01 00:04 | 災害時の心理的支援

熱中症対策

暑いですね~
大暑は過ぎましたが、これからまだまだこの暑さとの戦いが続きます。
この時期、気を付けなければいけないのは、「熱中症」です。

熱中症とは?

「熱中症 」 は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送が必要になったり、場合によっては死亡することもあります。(厚労省「熱中症予防のために」)

症状としては、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量発汗、頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温等が現れます。
お気づきのように、コロナの症状とよく似ているものもあるので注意が必要です。
感染拡大して医療機関がひっ迫している状況での熱中症は、亡くさなくてもいい命が亡くなってしまう危険があります。
そのためにも、まずは、予防です。

あなたの職場の暑さ対策は大丈夫ですか?

では、どういう状況になれば、熱中症が発症しやすくなるのでしょうか。
熱中症対策で用いられる基準は、WBGT値(暑さ指数)で測定されます。

WBGT値とは、気温、湿度、輻射(放射)熱から算出される暑さの指数 運動や作業の度合いに応じた基準値が定められています。 環境省のホームページ(熱中症予防情報サイト)に、観測値と予想値が掲載されています。
熱中症アラートは、環境省が実測に基づき予測した、日本全国を対象とした警報情報です。
https://www.wbgt.env.go.jp/

その地域はもちろん、警戒が必要ですが、それ以外の場所でも、おかれている環境によってWBGT値が高くなり、熱中症を発症する危険があります。

「熱暑環境計」で危険な状況を察知する

その危険度を簡単に測定できる計器が、「熱暑環境計」(京都電子工業・WBGT-103)です。
電源を入れると、すぐに「気温」「湿度」「輻射熱」の3つを組み合わせたWBGT値が算出できます。(写真)熱中症対策_d0402566_13283821.png


屋外では、このWBGT値が28度を超えると厳重警戒が必要です。
屋内の事務作業など、比較的軽い作業を主とする仕事では29度~30度以下
荷重のあるものを扱い、動き回る介護作業などでは26度~28度以下が目安ですが、
空気の動き(通風)がないとか、働き手に高年齢者がおられたら、
より低い数値段階で休憩・水分補給、送風・冷房設備、休憩室を確保することなどが必要です

昨年から、コロナ感染が拡大し、マスク生活が続いているため、さらに厳重な警戒が必要です。
人のいないところでは、マスクを外して呼吸をしやすくして体に熱がこもらないようにする、こまめな水分補給、こまめな休憩、冷房と扇風機の同時使用等で室内の温度・湿度を適度に保つことが大切です。

事業主の安全配慮義務
職場の熱中症対策は、事業主の安全配慮義務となります。
もし、職場で労働者が熱中症を発症した場合、職場環境が適切に管理されていたのかどうかが問われます。過失であったとしても管理不十分となることもあります。

古い施設で冷房設備が故障したままになっている、直射日光を遮るなどの対処がされていないために冷房を入れていても室内温度が上昇していたことに気付かなかったり、普段は軽作業だけれども記録運びなどいつもより荷重な仕事をしているにもかかわらず、いつもの通りの室温のままであったり、集中するあまり休憩や水分補給の時間をとっていなかったなど「うっかりしていた」では済まない状況にならないよう、日ごろから熱中症対策に注意しましょう。

WBGT基準値(参考)
(日本産業規格Z8504の指数基に厚労省が作成した表より、医療職場に該当するであろう身体作業強度から導きだした基準値)
区分1(低代謝率)軽い手作業 腕と脚の作業 立位 ちょっとした歩き
  A 熱に順化している人    B 熱に順化していない人
作業強度30℃29℃
衣類補正値
(-0.5℃)※
29.5℃28.5℃
休憩時間の目安  
基準値~1℃程度超過15分/時30.529.5
2℃程度超過している30分/時31.530.5
3℃程度超過している45分/時32.531.5
それ以上中止32.5超31.5超
※熱に順化していない人とは、「作業する前の週に毎日熱に暴露されていなかった人」のこと
※熱への順化 7日以上かけて熱への暴露時間を次第に長くすることが望ましい。
※衣類補正 SMSポリプロピレン製つなぎ服は、0.5℃加える
※作業計画に基づき、WBGT基準値に応じた休憩等を行うこと。測定したWBGT値が基準値を大幅に超える場合は原則作業中止。行う場合は①単独作業を控え上記休憩時間を参考に長めの休憩時間を設定、②管理者は作業中の労働者の「心拍数」「体温」「尿の回数、色」「水分摂取状況」を頻繁に確認する。


# by wlsyui | 2021-07-30 13:16 | 職場の安全衛生